間違った応急処置に気をつけよう!よくある事例

間違った応急処置 ぼー先生 ブログ コラム
応急処置 間違い ぼー先生 ブログ

みなさんは正しい応急処置の仕方をご存じですか?

世間には、昔からのおばあちゃんの知恵袋や、なんとなく聞いたことがある…などの、間違った応急処置方法が、正しい応急処置よりも、実は認知度が高いこともあります。

間違った応急処置は、症状を余計に悪化させたり、回復を遅らせる事態を引き起こしてしまいます。

今回は世間でよくある間違った応急処置と、正しい応急処置の方法をお話します。

よくある間違った応急処置

過呼吸に袋は間違い

応急処置 間違い ぼー先生 ブログ 過呼吸

過呼吸になったら、口にビニール袋や紙袋をあてるという対処法を頭に浮かべるひとも多いのではないでしょうか?

実は、これは間違った対処法です。

かつては、この「ペーパーバック法」とまで言われていたこの手法。

自分が吐いた息を再び吸うことにより、血中の二酸化炭素濃度を高めることができるとされていましたが、これにはリスクが伴います。

口に袋にあて呼吸を続けると、袋の中の酸素がだんだん少なくなり、二酸化炭素濃度が上昇し、本当に呼吸困難に陥ってしまいます。

実際に死亡例も出ているほどの危険な対処法です。

正しい対処法は?

強い不安や恐怖などのストレスに襲われたときにおこる過呼吸。

過呼吸に対しての知識が少ない人であれば、正しい呼吸ができない状態や、その苦しそうな表情を見て、慌てふためいて救急車を呼んでしまう人も少なくありません。

過呼吸に陥っている人に一番大切なことは、「不安から遠ざけること」です。

過呼吸の最中に、家族や知人がパニックになっている状況を見ると、過呼吸になっている人は、さらにストレスに晒されてしまいます。

また、街中など人の多い場所では、周囲の人の視線に晒され、「どうしたの?」「大丈夫?救急車呼ぶ?」など声をかけられ、「自分が大変な状況を引き起こしてしまった」という恐怖を感じてしまいます。

このような状況は、さらに過呼吸を悪化させ、症状からの脱却ができません。

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まずは、過呼吸になっている人に対して、冷静に話しかけましょう。
そして、落ち着ける状況や場所を作ってあげましょう。

街中などで、周囲の人に声をかけられても、そっとしておいてほしいと伝えましょう。
逆を言えば、街中で過呼吸に陥っている人を見たら、むやみに声をかけないようにしましょう。

根拠よく息を吐くことを続ける

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過呼吸になった人と一緒に「細く長く息を吐く」ことを続けます。

すぐには治まらないので、焦る気持ちも非常にわかります。

しかし、過呼吸は一時的な発作なので、そのうち必ず治まることを、しっかりと頭の中に置きながら、ロウソクをゆっくり消すように「ふーーーーーーー」と長く息を吐きます。

15分~30分ほどで、発作が治まります。

てんかん発作で口に割り箸は間違い

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てんかんの発作が起きたら、舌を噛まないようにと、口に割り箸やスプーン、タオルを無理矢理突っ込むという話がありますが、これは大きな間違いです。

てんかん発作では、全身の筋肉が固く突っ張ってしまので、必然的に歯を食いしばっています。

固く食いしばった口を無理矢理こじ開けて、割り箸やスプーンを突っ込んだ挙句、口の中を傷つけてしまう事態に陥ります。

また、タオルを口の中に入れたがために、窒息してしまう恐れがあります。

正しい対処法は?

まずは安全な場所に移動しましょう。
痙攣による体の突然の動きにより、ケガをしないように、周囲にある危険なものを取り除きます。

呼吸が楽になるように、衣服のベルトやボタンを緩め、嘔吐したときに嘔吐物が喉に詰まらないように、顔を横に向けます。

そして後はとにかく見守ります。

できれば、痙攣が始まった時間を計りましょう。
痙攣は1,2分、長くても5分以内に治まります。
5分以上痙攣が治まらない場合や、意識が戻らないうちに再び痙攣する場合は119番通報しましょう。

やけどにアロエは間違い

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やけどをした箇所にアロエを貼るというのは、大きな間違いです。

アロエのゼリー状の部分には、シュウ酸カルシウムという目に見えないほどの、小さな鋭い結晶成分が含まれています。
この結晶が皮膚内部に刺さり、刺激され炎症を引き起こします。
また、アロエに含まれる化学物質であるアロインは、人によってはアレルギーを起こす原因にもなります。

最後に、アロエを患部に貼ろうとする際に使うまな板や包丁には、細菌が付着しており、皮膚内部にわざわざ細菌を付着させることは、やけどを悪化させるのは言うまでもありません。

正しい応急処置は?

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まずはとにかく患部を冷やしましょう。
簡単にできる方法は、水道水で冷やすことです。

このときに気を付けることは、衣服の上から冷やしましょう。
やけどがひどい場合は、慌てて衣服を脱いだときに、皮膚が一緒に剝がれてしまいます。

また、市販のコールドスプレーは、やけどの患部を冷やす目的ではないので、使用しないでください。

やけどを負った患部が徐々に腫れてくるので、指輪などの装飾品は早めに取り外しましょう。

そして、なるべく早めに病院を受診しましょう。

倒れている人を動かしてはいけないは間違い

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脳卒中や脳梗塞で倒れてしまった人を動かしてはいけないというのは、間違いです。

患者の意識がなく、心肺停止状態にある場合、とにかく一次救命処置(Basic Life Support)といわれる、その場にいる人が救急隊に引き継ぐまでの処置で、患者の致死率がグンと変わります。

また、倒れている人が脳梗塞なのか脳卒中なのか、または他の疾患なのかを、一目で判断することは困難です。

倒れている原因に関わらず、意識がなく呼吸をしていないのであれば、一刻も早い心肺蘇生が必要です。

正しい応急処置は?

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まずは、安全な場所に移動させ、周りに人がいれば、協力を呼びかけ、「あなたは119番通報をお願いします」「あなたはAEDを持ってきてください」と指名して頼みます。

意識や呼吸の有無の確認を行い、反応がなく呼吸をしていない場合は、ただちに胸骨圧迫を開始します。

AEDが到着したら、AEDの指示に従い、操作を行います。

AEDの設置について

AEDは公共の場所に設置されているイメージがありますが、個人や団体での購入やレンタル・リースが可能です。

AEDを購入、設置した場合は正しく動作するかを日常的に点検・確認する必要があります。

自治体によっては、管理設置情報の登録や公開を呼びかけています。

厚生労働省は平成21年4月、各都道府県の知事宛てに、「AEDの設置者等が行うべき事項等」を取りまとめ、通知しました。

また、同じく厚生労働省からの通知により、製造販売業者等を通じて、AEDの設置場所を日本救急医療財団への登録するように呼びかけています。
(参考)財団全国AEDマップ(財団法人日本救急医療財団): https://www.qqzaidanmap.jp/

この設置場所の登録は、各自治体でも登録をするよう通知しています。

AEDや胸骨圧迫を身に着けたい

AEDの使用方法や胸骨圧迫方法を身に着けたいときは、ぜひご一報ください。

わたしたち大阪医専救急救命学科が、若さあふれる生徒たちとともに、救急救命講習会を行います!

これまでの救急救命講習会の様子は過去の記事をご覧ください。

まとめ

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突然の事態では、どうしても慌ててしまい、とっさに頭に浮かんだ応急処置をしてしまいがちですが、まずは冷静になり、正しい応急処置かどうかを判断することが重要です。

大阪医専救命学科が行う救急救命講習会では、AEDの使い方や胸骨圧迫だけでなく、このような応急処置に関する講習会も行っております。

お気軽にご相談ください。

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