みなさんは、目の前で人が倒れている場面に遭遇したことがありますか?
そして、その時、倒れている人に対して何らかの「行動」を取ったことはありますか?
残念ながら、日本人の多くは「誰かがやってくれるだろう…」「みんなやってないし…」という心理が強い傾向にあります。
またその多くの理由として、応急手当や救命処置、心肺蘇生を行った経験が無いということも、これに当たります。
やはり目の前で倒れている人を見て、何かをしなきゃいけないという気持ちを持っていても。「失敗したらどうしよう…」「胸骨圧迫なんてやったことない…」と思ってしまう心理に同意する人は多いでしょう。
これを解決するには、行政や消防署が行っている「救命講習会」に参加することが最善策です。
救命講習会では胸骨圧迫の練習キットを使い、人間の体を想定した練習を行うことができます。
しかし、日々の生活の中で、何かのきっかけがない限り、時間を割いて救命講習会に参加する人は少ないです。
これでは、いつまでたっても、「救えるはずの命」の数は増えません。
あなたの大切な人が目の前で倒れてしまったら?
本当にあなたは何もできないですか?
目の前で倒れている人は、「誰かの大切な人」なのです。
その「誰かの大切な人」が「あなたの大切な人」だったら?
「あなたの大切な人」を誰もが傍観しているだけの状況だったら、あなたはどう思いますか?
救命講習会に参加して、正しい知識と実践を学ぶことが、やはり最善策です。
しかし、自宅でできる胸骨圧迫の練習方法があります!
今回は誰でも簡単にできる胸骨圧迫の練習法をお教えします!
用意するものはたった1つ!
用意するものは「テニスボール」。
これだけです。
「え?テニスボール?」
疑問に思われた方も多いでしょう。
なぜ、テニスボールか?
まずは、人間の胸を押す(=胸骨圧迫)の感覚を身に着けるのです。
人の胸を圧迫することに、恐怖感を感じる方もいると思います。
また、どれぐらいの力で押せばいいのかが、わからない方も多いと思います。
「押す力が弱いと、心臓を圧迫できないのかな…」
「押す力が強すぎて、肋骨を折ってしまったらどうしよう…」
そんな疑問からくる恐怖感で、救命措置ができなくなるような躊躇を、まずは拭い去るのです。
胸骨圧迫は、患者の体に対して、ひじを伸ばし、垂直に圧迫します。
これを、患者の体や訓練用の人形を想定して、テニスボールで行います。
実際に、テニスボールを用いて胸骨圧迫の練習を行っている動画を見てみましょう。
こちらの動画は2019年10月17日に富田林市きらめき創造館で行った「おおさか元気広場関係者研修会」で行われた講演「あなたからスタートする応急手当て!」での場面です。
この動画のように練習することで、テニスボールが深く沈むのは(=心臓を圧迫することができるのは)どの程度圧迫すればいいのかという感覚を掴むことができるのです。
そして、動画中で「ピッ、ピッ、ピッ、」と鳴っている音が、圧迫するペースです。
1分間に100~120回のペースで圧迫します。
これを本当の現場では、救急隊が到着するまでやり続けるのす。
119番通報をしてから、救急隊到着までの時間は全国平均で8.6分です。
協力者がいれば、交代しながら圧迫し続けます。
現場にあなたしかいなければ、あなた一人がやり続けるのです。
救急隊到着までの、患者の命は救急救命のプロではない「あなたの手」にかかっているのです。
いかがでしたか?
この練習方法は、テニスボールがたった1つあればできます。
1000個あれば、1000人が練習できます。
普段から胸骨圧迫の感覚を身に着けておけば、いざという時、必ず命を助けられます。
あなたや誰かの「大切な人」が、ずっと健康で幸せに生きていけるように…
コメント
[…] 過去の記事「テニスボール1つで命を救う?~胸骨圧迫の練習はどこでもできる!~」でも書きましたが、119番通報をしてから、救急車到着までの時間は全国平均で8.6分です。 […]